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  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

なぜか落ち着く場所がある。特別な理由は説明できない。

そこへ行くと呼吸が深くなり、肩の力が抜け、時間までゆっくり流れ始める。


逆に、どうにも落ち着かない場所もある。

僕らは普段、想像以上に、「場」の影響を受けながら生きているのかもしれない。

 

昨年、「霊性」をテーマに北陸へと旅へ出た。

各地を巡る中で、ある場所に立った時のことを今でもよく覚えている。


何か特別な出来事があったわけではないけれど、妙に不思議な感覚を感じて

ただ、その場にしばらく佇んでいた。


何かを理解したわけでもなければ、何かを見つけたわけでもない。

ただなんとなく身体がその「場」に共鳴しているような感覚はあった。

 

その後の旅では、およそ不思議としか言えないような出会いがいくつも重なった。

偶然と呼べば偶然なのかもしれない。

けれど、僕には、それが「偶然出会った」というより、

「出会える場所で必然的に出会った」という感覚を感じていた。


僕はそれを、「レイヤーが変わる」と表現している。

世界は何も変わっていない。景色も昨日までと同じ。

けれど、自分が立っている層のレイヤーだけが、ほんの少し変わる。


フロアの二階から三階へ上がるように。座標は同じでも、見える景色は少しだけ違う。

レイヤーが変わると、出会う人も受け取る言葉も、考えることさえ少しずつ変わり始める。


もちろん、これは証明できる話ではないのだけれど、

ただ、人生を振り返ると大きな変化というのは、外の世界より先に、

自分の内側が静かに変わった時に起きているような気がする。


だから最近は、「どこへ行くか」も大切だけれど、「どんな状態でそこへ向かうか」というのも、

より大切なのではないかと思っている。

同じ場所だとしても、自分のその時の状態によって、受け取れるものはまるで違う。

 

身体を整えることが大切なのは、より澄んだ状態で受信し、発信するためでもある。

適切な「場」で受信と発信、もしくは同期ができるようにする。 

整っている時ほど、今まで気づかなかったものを受け取り、逆に、自分から世界へ発するものも変わっていく。

そんな気がしている。

 

もしそうだとしたら、

人生を変えるために必要なのは、もっと頑張ろう、と動くだけではなく、

ほんの少し、自分という「場」を整える意識からなのかもしれない。


そして、心身を整え、自分にとって本当に必要な「場」と出会った時、

その場所はレイヤーを切り替える静かなスイッチになる。

この世界には、そんな目には見えない「場」のつながりがあるように思えてならない。


空間を認識することのできる脳と身体があるということは、

つまりはそういうことなのかもしれない。

適切な「場」に出会うために自分の「場」も丁寧に整える。


何千年もの時を超えて、人の変容を静かに促してきた「場」は、きっと今も存在している。

あの旅は、そのことを身体で体験させてくれた貴重な時間だった。


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Words by Tatsuya Sakamoto




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