社会的インフラと呼ばれる場所がある。
図書館や公園、遊び場、学校、運動場、市民農園などの集団生活を
条件づける場所。
そういう部分をいかにデザインし、構築し、維持していくか、
社会の分断が表面化している昨今において、
今後ますます重要な場所となっている。
いわゆる「開かれた場」づくりを行政だけに委ねるのではなく、
ボトムから押し上げていくことも大事だとこの本では書かれている。
一方で富裕層はますます富を蓄え、社会的インフラにはアクセスせず、
自分たちだけの場を脅かされないように、目にみえる壁(セキュリティーの高い家)も
見えない壁(権利の非分配)の構築にも余念はない。
これではますます分断が広がりそうだけれど、
「富裕層が公共の場所に富を提供したくなる社会」という、あり得ないかも
しれないけれど、あったら素敵だなと思う社会を考えるのも悪くないと思う。
自分たちの住む街が「開かれた場」の多い地域であれば、
どのような社会的地位の人同士であっても、対話を通じて
互いに分かり合える考え方などを共有することができるのかもしれない。
公共インフラでも社会的インフラでもどちらでも、
そういう大きな枠組み動かせる人のセンスの良さも大事だし、
インフラを行政任せではなく市民の意識の高まりで行動変容を起こしていく、
その両方が合わさることが大事かもしれないですね。
社会情勢が不安になればなるほど、
今後ますます「リアルな場」が重要となりますね。
「集まる場所が必要だ」
エリック・クリネンバーグ(著)
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