
「まなざしのいいひと」
このことばが纏う空気は、
普段あまり頻繁に使うような
言葉ではないけれど、
なんだかとても響きが美しく温かさを感じる。
視線の先に見据えた対象をそっとやさしく、
地に足のついた意思が
そこには宿っているかのような‥
その対象は、
人であり、世界であり、未来であるかの如く
希望に満ちた言葉。
まなざしが悪い、とは使わない。
冷ややかなまなざし、
という風に使うことはある。
だけどもこの言葉に付随する要素に
負の雰囲気はどこかぎこちない。
「まなざしのいいひと」
やっぱりこの言葉の使い方が美しい。
心身の調う人に似合う言葉だなあ、と思う。
どんな人になりたいかと自問してみると、
僕はまなざしのいい人になりたい。
そう心が答えている気がした。
「TISSUE Vol.3」特集:まなざしのいいひと
ハンカチーフ・ブックス