
「今」の時代から過去を見つめなおして、「その時の時代の空気」は
果たしてどんな感じだったっけ、と思いを巡らせることは少し
答え合わせのような気分だけれども、
3.11からコロナ前夜までの2010年代って当たり前だけど2023年において
地続きで繋がっていて、なんなら2010年代の萌芽はやっと今になって
人々の目に見える形で捉えることができていると思う。
著者の若林氏はその時代のど真ん中で、2010年代を「WIRED」日本版編集者として
自分の目で見て感じたことを言葉にしている。
まだ人々が肌感覚で実感していないようなことや、どっちに世論が傾くかも
わからないようなところを自分の言葉を使って伝える勇気は、
未来から読んだ自分はその言葉をしっかりと受け止めることで
その行為を讃えたいと思う。
2010年代を生きた自分、そして今、2020年代を生きている自分、
コロナで始まった20年代の後半にはどのような未来が待っているだろうか。
きっと今この時代は「〇〇前夜」かもしれないけれど、
今、この時に起きていること、僕自身の肌感覚が感じることを
勇気を持って言葉にしていきたいと思う。
そんな気分にさせてもらった気がする。
「さよなら未来」
若林 恵